速く走るための重心移動について

トレーニング

今回のssyブログでは、短距離を速く走るための重心移動について書いていきたいと思います。

私は、小学生から高校生までを指導していた経験があり、全国大会出場11名、全国優勝2名の指導実績があります。
今回は、その指導経験から学んだ、速く走るために考えることをオススメしているポイントとして、重心移動について、書いていきたいと思います。

速く走るための重心移動について

重心移動ってなに?って話なのですが、そもそも重心を理解しないといけません。
走りだすときは、体は止まっている状態です。
この止まっている状態から如何にスピードを高めていくか凄く重要です。
止まっている状態からスピードを高めていくためには、効率よく重心を移動させる必要がでてきます。

ロス動作があれば、スピードを高めることが難しく、加速局面において大きな後れを取ってしまうと考えています。

だからこそ、如何に重心を効率よく移動させていくかが記録向上へのポイントだと考えています。

重心とは

体の中心と理解していただければ簡単かと思います。
丹田等で表現をされることもありますが、ヘソの少し(2~3cm)したぐらいだと思っていただくとイメージしやすいかと思います。

速く走るための重心移動に大切なこと

重心移動を動き出しの第一動作としたいです。
これにつきます。

例えば、100㎏の大きな鉄球をイメージしてください。
100㎏の大きな鉄球を動かすのに、その鉄球が止まって状態であれば、凄くパワーが必要になりますよね?
逆に、100㎏の大きな鉄球が少しだけ動いている状態なら、止まっている状態よりも動かしやすいですよね?
最初にかかる負荷を如何に少なくするかというのが非常に大切なポイントとなってきます。

では、どうするのか?
を書いていきます。

重心移動を第一動作とする

まずは、以下動画をご覧ください。

速く走るための動き出しとして、平行立ち骨盤前傾ポジションからの重心移動を第一動作とする感覚づくりのトレーニングです。

この動画は、重心移動を第一動作として動き出すための感覚づくりのトレーニングです。
ポイントですが、

  • 垂直軸をつくる
  • シューズの外側ラインが進行方向にむくように
  • 骨盤前傾(上体前傾)をつくる

とします。

垂直軸をつくる

垂直軸とは?ですが、
小山裕史氏の著書「奇跡」のトレーニング
によると、股関節→膝関節→足首関節が垂直下に並べることです。
この垂直軸をつくることで、地面を自然に強く推して、地球から反作用の力をもらえるのです。

その為、このポジションを平行立ちで作ると、腰幅になると思います。

むしろ、垂直軸をつくれない身体バランスになっていると、バランスを崩している可能性があります。
特に膝が内に入ってしまうような状態だと改善が必要かもしれません。

シューズの外側ラインが進行方向にむくように

シューズの外側ラインが進行方向にむくように立つことが、本来の真っ直ぐの足の向きです。
足の親指を進行報告に向けると、膝や、骨盤が外に開きますので、力が外側(左右に)分散してしまいます。
そうならない為にも、シューズの外側ラインが進行方向にむくように立つことをポイントです。

骨盤前傾(上体前傾)

自然な前傾で構いませんので、骨盤から上体を軽く倒します。
このときに背中に力みが入らないように、リラックスをして、腕は力を抜いて肩からぶら下げるようにしてください。

では、ここまで構え方について書いてきましたが、ここからは動き出しについて書いていきたいと思います。

重心移動を第一動作とするトレーニングの導入編

重心移動を第一動作でスタートを切りますが、まずはこの動作からの動き出して歩いてください。
慣れていない人は、難しいかもしれません。
また、垂直軸、もしくは垂直軸に近い状態をつくれていないと、反応しづらいのですが、ここでは垂直軸、もしくは垂直軸に近い状態がつくれている前提で書いていきます。

重心を前方へ送り出すことを第一動作として動き出してみてください。
その後に、脚が自然と動くはずなので、脚を先に動かしてから重心を送り出すと、ブレーキになるので注意が必要です。

重心を送り出してから、脚が動くのを少し我慢するのがポイントです。

上手くいけば、スタスタスタと2歩目、3歩目が自然と出てくると思います。
この動作で、自然と足が出てくる感覚を続けていき、距離を伸ばすことが非常に重要です。

この重心を送り出して、脚が自然と出てくる感覚を掴み、距離を伸ばしていくことができれば、この動作をきっかけとして走りだすことは重心移動をきっかけとしたスタートの感覚づくりとしてとても有効だと考えています。

もう一度、動画をご覧ください。

重心を送り出すことで動き出しことで、上体が起き上がらずに重心を拾っていくことができれば、大きな力を自然と出しながら進んでいくことができます。

スターティングブロックからのスタート方法については、以下を参考にしていただければと思います。

ただし、スターティングブロックからのスタートを行う前に、この重心移動からのスタートの感覚を習得してからをオススメします。

指導経験に基づくお話

私の指導経験から、体のバランスを崩している人程、重心移動からの動き出しできず、脚から動いてしまう人が多いように感じます。

また、小中学生問わず、重心から動き出しているのか、脚から動き出しているのかは、誰でも目に見えて分かるのでとても分かりやすいトレーニングかと思います。

導入としてはかなりオススメのトレーニングですので、一度試していただきたいです。

参考にしていただければ幸いです。

参考文献

小山裕史
『奇跡のトレーニング 初動負荷理論が「世界」を変える』講談社

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