短距離の練習方法 小学生編

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今回のssyブログでは、短距離の練習方法 小学生編を指導者時代の事例を基に書いていきたいと思います。

背景としては、当時小学5年生の夏に男子選手が私が指導を受けることとなりました。
私は、主に中学生以上の選手と、短距離で日清カップ出場を目指す選手を指導していました。
ただ、小学生と中学生は練習メニューは異なるため、小学生でも高いレベルで走るからと言っても、特別なトレーニングはしておりませんでした。

また、この選手の事例は一例です。
他にも、記録を向上させていった選手は多くいましたが、そのなかでも伸び率が非常に高かったため、ご紹介したいと思います。
参考になれば幸いです。

では、どのようなトレーニング指導を行っていたかをご紹介したいと思います。
根本的な考え方は、年齢、年代は変わらず、一貫性のあると考えています。

指導方針

身体バランスの改善を行い、どれだけ理想の動作を自分の体で表現していくかに注力していました。
そのためには、選手が主体的に行動する環境、雰囲気をつくっていく必要があると考えています。

身体バランスの改善

速く走るためには、速く走るための動作を行えるかが重要だと考えています。
そのためには、まず最低限の可動域を身に付け、アライメントを整えていく必要があります。
選手には動的ストレッチをかなり行ってもらっていました。

私が指導を行っていた際、月1回は必ず選手の関節角度を測定していました。
関節角度を測定することで、体の歪みを数値化し、身体バランスの課題について、選手自身が理解し、改善に取り組めるような状況をつくることも大切にしていました。
結果的に怪我も少なく、身体バランスを状況で、トレーニングをしっかり積めることができました。

動きを身体で表現する

身体バランスを改善していくと同時に、動作を体に覚えさせるトレーニングも必要となります。
この動きづくりは、いろいろとあるのですが、以下のポイントを重視していました。

・腰幅で走る(歩く)こと
・接地のタイミングで、軸足のくるぶしー膝関節ー大転子ー肩関節が一本の軸を形成すること
・接地のタイミングで軸足の上に軸足側の胸が乗り込むこと
・離地の際に、軸足のかかとを外側に外す
・脚をあげない
・接地位置に体が寄っていく動作
等、あげればきりがないのですが、主に上記を大切にしていました。

上記については、別で詳しく記事を書いていきたいと思います。

指導は命令ではない

よく競技場で目にするのは、指導者が選手へ命令をしている状況です。
私の世代が学生時代の頃は、当たり前でした。
ただ、私は学生の頃から、納得いかないトレーニング内容は行わないというタイプでした。

何故なら、納得いかないトレーニングを行って、結果が出なかった際に、悔いが残るからです。
そして結果を出せないと、公式試合へ出られず、かつ責任は指導者ではなく自分自身にしかありません。
だから、このメニューをやりなさいは、私のなかではあり得ないと考えていました。

そのため、自分自身が指導を行っていたときは、このマインドは大切にしていました。
あくまで、指導方針の説明を行い、選手が何に不安、疑問を持っているのかを引き出し、一緒に考えることが大切なのです。

幸い全員納得の上、主体的にトレーニングを行ってもらっていました。
必ず、理解ができないこと、納得のいかないことは質問、相談をしてもらうようにしていました。
やらされたトレーニングでは、プラスに働くことはかなり少ないと考えています。

私は、指導者と選手はフラットな関係であると考えています。

危険な根性論

トレーニングを行うなかで、一番危険なのは、選手がトレーニングのなかで達成感や、努力感を求めることです。
達成感、努力感を得たところで、トレーニングの方向性を誤っていたり、身体バランスが崩れている状況を無視して走っても、速く走れるようなことはあり得ないと考えています。

努力は裏切ります。

だから、適切な努力の方向性を選手と考え選択肢を提示するのが指導者だと考えています。

トレーニング量を増やせば速く走れるようになるわけでないことから、私は小学生を指導する際は、
全力でダッシュを行うのは、小学生の場合は1日のなかで30m×2本、60m×2本の計4本にしていました。
もちろんレベルが高まれば、狙いをもって本数を増やすことはありますが、小学生、中学生の時期は本数を走ることを目的としていないため、基本はこの本数だけです。
競技レベルが高くなれば、効率のいい動作になっているはずなので、自ずと本数は増えます。

ただ、本数が少ない分、小学生達は相当な集中力で1本、1本を走っていたと記憶しています。

選手が納得できる説明をすることが指導者の仕事のひとつだと考えています。
だからこそ、根性論という非論理的な指導は控えることがとても重要でした。
もし、気持ちが足りない、根性がないなどの言葉を指導の際に使用されているなら、一旦冷静になり、理論的に自分の考えを選手へ伝える方法を考えることをお勧めします。

指導者=見守ることが本来の役割

指導者の役割とは一体なんなのでしょうか?

選手を導くなんて言葉を耳にすることもあります。
本当ですか?
私は、そんな風には思えません。

私は指導者と選手はフラットな関係であり、なんでも言い合える関係でないと成り立たないと考えています。

では、選手の好き勝手をさせるのか?という批判が出るかもしれません。

違います!!

指導者は選手に対して選択肢を提示し、選手が目標に向かって安心してチャレンジできる環境をつくることが指導者の最も大切な役割だと考えています。

そのためには、指導者がこうしたい、ああしたいという意思を持つのではなく、選手がどうしたいのかという思いを実行できるように見守ることが大切だと思います。
そして、目標に外れるようならストップをかけるのも指導者の役割です。

そういう意味で見守るということが指導者には求められると考えています。

トレーニングメニューの事例

トレーニングメニューについて、上記でも書きましたが、基本的には30m×2本、60m×2本を本メニューとして、1本、1本に対する質を高めるトレーニングを行います。

ただし、それまでに動きをつくっていきます。
主に以下のような意識づくりを行います。
こちらはトレーニングメニューのひとつですが、かなり重要な部分ですので、興味を持っていただける方は、是非ご覧ください。

そして、休憩の合間に動的ストレッチを行っていきます。
特に以下の動的ストレッチは必ず行っていました。

記録の過程

100m18秒9の選手の時代ですが、同年の秋頃には16秒台に突入していました。
これまで走るのは苦手だったということで自信をなかなか持てない選手でしたが、身体バランスを改善をしているなかで、手ごたえもありました。

選手自身が、「体が動きやすくなってきたけれど、体が扱いやすくなればなるほど、ここを改善したいと思う箇所も増えてきた」と発言するようになりました。
これが狙いでもありました。
感覚をつくる、判断基準をつくることができれば、自然と選手自身がこうしたい、ああしたいという考えが加速すると考えていました。

また、1学年上の当時6年生の男子選手に12秒台が3名在籍していたこともあり、かなり意欲をもってトレーニングを積んでいく姿に、12秒台ぐらい出るだろうと考えていました。

翌年6年生となり、4月の記録会で13秒5で走りました。
これは想定通りでしたが、身体バランスの改善が進み、反り腰と、接地の際に膝の内潰れ(ニーイン)が改善されたことが大きな理由です。

この結果から、自分自身の成長に自信を持てたため、レベルの高い改善につながっていきます。
夏には、12秒台に突入しました。
結果、10月の最終戦で12秒7を出すこととなります。

1学年上の選手は、小学6年生時に、12秒前半の記録を出していたため、目標の12秒前半は出せませんでしたが、それでも小学生のなかでかなりレベルの高い記録を出してくれたと考えています。

中学1年生は11秒8
中学2年生は11秒5
中学3年生は400mに転向し、51秒7で走っていました。

全国トップレベルの選手の記録には及びませんが、それでも100m18秒9からはじまった選手が大きな成長をしてくれたのは指導者としてとてもうれしく思いましたし、それだけ本人が努力の方向を理解し、頑張れたということだと考えています。

十人十色の状況を理解する

選手は10人いれば10人とも異なる
・身体バランス
・筋肉の質
・経験
・考え方
だと思っています。

だからこそ、こうしなければならないという考えを指導者が持ち、強制してしまうことは、選手の飛躍や、努力、個性を否定してしまうことにつながってしまうため、指導者は選手を許容することが大切だと考えています。

指導者は、第二の自分をつくるのではなく、選手の個性を伸ばしていく環境をつくっていくことが求められると考えています。

できないことは才能がないからではなく、方法を理解していないだけであるため、それぞれのレベルに合わせたトレーニングを提示し、どのレベルでも対応できる指導がとても重要だと考えています。

まとめ

記録を向上させるためには、身体バランスを整え、効率のいい動作を身に付けていく必要があります。
動作だけのトレーニングでは、身体バランスが崩れていれば習得しづらいのです。

なぜなら、最低限の可動域がなければ、効率のいい動作じたいを体で表現することが難しいからです。

そしてトレーニングメニューの方向性だけで不十分です。
指導者の指導方法もとても重要です。

指導者は選手に対して選択肢を提示し、選手が目標に向かって安心してチャレンジできる環境をつくることが指導者の最も大切な役割だと考えています。

そのため、指導者がどうしたい、ああしたいと意思を持つことは望ましいことではないと考えています。

選手ファーストだと考えています。
選手ファーストの環境をつくれたことで、18秒9の選手が1年で12秒7まで記録を縮めることができたと考えています。

そのような環境で選手が伸び伸びとトレーニングをできる環境があれば、選手は主体的にトレーニングを行えると考えています。

以上は、ssyの個人的な考えであり、いろいろな考えがあり、誰かを否定したいわけではありません。
ひとつの方法論として参考になれば幸いです。

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