今回のssyブログでは、短距離を走っているときの足音について書いていきたいと思います。
皆さん、足音について気にしたことはありますか?
私は、指導を行っていた際に、足音については凄く気にしていました。
なぜなら、例外もあるとは思いますが、短距離を速く走れる人の足音には共通点があると考えています。
そのあたりを詳しく書いていきたいと思います!
少しでも参考にしていただければ幸いです。
短距離を速く走るためには足音がなるのはいいの?悪いの?
結論、走っているときは足音はなります。
足音はなりますが、足音の種類に注目していただきたいです!!
好ましくない足音の特徴
記録が伸び悩んでいる方は、是非ご自身がどうなっているかを確認してみてください。
短距離を速く走るために好ましくない足音の特徴は、「パン、パン」と高い音で地面を叩くような音です。
何故、このような音が好ましくないかというと、地面を叩いている=足先だけでの接地で重心が接地脚にのっていない場合に起こります。
つまりは、こんな状況の接地の場合です。
こうなると足音はビックリするぐらい高い音を立てて、「パン、パン、パン」となります。
特に、膝下が強く振り出されるような動きをしている人程、重心の乗り遅れが起こりやすく、末端で動作をコントロールせざるを得なくなり、地面を叩く傾向にあります。
これでは、骨盤で地面をおさえることを難しくさせるので、軸足に体重が乗りにくく、結果的に脚が流れてしまう状況をつくりだしてしまいます。
では、速く走れる人はどんな足音なのでしょうか?
速く走れる人の足音
速く走れる人の足音は、比較的小さく、低い音がします。(例外あるかもしれません)
何故なら、体重がしっかりと接地脚に乗るので、地面を叩かないからです。
こちらをご確認ください。
いかがでしょうか?
接地脚がしっかりと重心をとらえており、足音はなっていますが、地面を叩くような足音はなっていないと思います。
つまりは、地面を叩いていないため、パワーロスがなく、地面をしっかりととらえており、地面を叩くような足音がなっていないのです。
一度、ご自身と比較してみてください。
この足音だけでも全然違うと思います。
短距離を速く走るためにはパワーを地面に伝えないといけませんが、とは言え、地面を叩いてしまうとパワーロスで地面にパワーが伝わりません。
とてもバランスが難しいですよね。
では、どうすればいいのか?
地面を叩かないために
ここからは、競技者と指導者の経験からの記載となります。
地面に接地するときに、体のバランスはどうなっていますか?
接地する脚の上に重心はありますか?
足先をコントロールしようとしていませんか?
膝下の感覚に頼っていませんか?
腰がそっていませんか?
脚をあげようとしてませんか?
地面を叩くのにはいろいろな要素があると考えています。
別に地面を叩こうとしていないのに、地面を叩くような足音がなってしまうことはありえます。
それは、身体ポジションが適切でないが故に、重心が乗り遅れて、結果的に地面を叩いてしまっている場合もあるからです。
そのため、私は選手指導を行う際に、忍者になるように伝えていました。
えっ?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、指導を行っていた全国大会に出場していた選手にも、小学生で陸上競技をはじめる選手に同じことを伝えていました。
忍者は忍び足なので、足音がしないはず。
その意識を持って、今から重心を先行させ、そして重心を拾っていく意識を持って走ることで、末端部分の意識を持ちすぎないように伝えていました。
だからこそ、パワーロスが生まれにくいので、レース後半も走れるのです。
そのため指導を行っていた選手は、後半もしっかりと走れる選手しかいませんでした。
重心を拾う意識を持つことで、末端部分で地面を叩きにいったり、脚をあげようとする意識が薄れることで、ロスなく脚が地面をとらえてくれます。
これは、短距離を速く走る方法であり、かつ、とても自然な動きに近づける方法のひとつだと考えています。
自然な動きであれば、そもそも地面を叩くということは少ないはずですよね。
では、重心を先行させる、拾っていくって何?という話を書いていきます。
動作の第一動は重心移動
動作の第一動作を重心移動からはじめること徹底することです。
これは、案外大人の方でも難しいと仰る方がいらっしゃいます。
それだけ末端をコントロール意識が強すぎると、速く走るための動作がしづらい状態になっているので改善していきましょう!
まずは動画をご覧ください。
動画では走り出していますが、まずは歩くことからはじめてください。
走り出すのは、歩くことができてからです。
■構えのポイント
・腰幅で立つ
・シューズの外側ラインが進行方向にむくように立つ
・骨盤前傾(上体前傾)
を確認してポジションをつくってください。
ポジションがつくれたら、以下を行います。
重心を送り出してから、脚が動くのを少し我慢するのがポイントです。
上手くいけば、スタスタスタと2歩目、3歩目が自然と出てくると思います。
この動作で、自然と足が出てくる感覚を続けていき、距離を伸ばすことが非常に重要です。
この重心を送り出して、脚が自然と出てくる感覚を掴み、距離を伸ばしていくことができれば、この動作をきっかけとして走りだすことは重心移動をきっかけとしたスタートの感覚づくりとしてとても有効だと考えています。
これを歩きでできるようになったり、意識をもてたら、次は走りだしてみましょう。
この時も、スピードをだすという意識でもなく、重心移動から体が自然とバランスを回復させようとする反射を用いるという意識です。
重心を送り出すことで動き出しことで、上体が起き上がらずに重心を拾っていくことができれば、大きな力を自然と出しながら進んでいくことができます。
これの意識を癖づけることができれば叩く動作もかなり抑えられるようになると思います。
重心を送り出し、地面を叩かなくなったとしても、このトレーニングは継続されることをお勧めします。
確認動作にもなりますし、反射のトレーニング、スキルトレーニングになるため、とても重要です。
このトレーニングのいいところは、小学生でも善し悪しが簡単に把握できます。
地面を叩いているか、叩いていないかは音で判別できますし、自主練でも行えるため、必ず指導していた選手には、毎回このトレーニングを導入していました。
そして、スタンディングスタートに切り替えていき、最終的にスターティングブロックへつなげていくのです。
そうすることで、この重心を先行させ、重心を拾っていくという意識をレースでも自然と行えるようになれば記録の向上の可能性も高まると考えています。
スターティングブロックからのスタートに関しては、コチラに詳しく記載しています。
参考文献
小山裕史
『奇跡のトレーニング 初動負荷理論が「世界」を変える』講談社