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今回のssyブログは、ジュニア期において大切な3つのポイント考えていきたいと思います。
私は、過去に小学生から高校生を対象に数年間だけ指導者をしていました。
全国大会優勝2名
全国大会出場11名
という指導実績でした。
指導者としての指導経験を踏まえて、書いていきます。
特に指導者で、指導にお悩みの方は、是非ご覧いただければ幸いです。
ジュニア期の指導方針とは
ジュニア期の指導方針を考えたことはりますか?
よく耳にするのは、基礎体力と言う言葉ではないでしょうか?
私も学生時代は、基礎体力を鍛えなさいと言われてきました。
でも、ずーっとそれを言われる訳ですよ。
そして、ある一定のレベルに到達すると突然、「基礎体力があるから、、、」みたいな話をされるんです。
基礎体力って、、、曖昧すぎない?といつも疑問でした。
そして、年代において育成のポイントがあるのではないか?
という疑問を持っていました。
なぜなら、「技術練習ばっかりやって、基礎的な練習をしないと早熟になって将来性を潰してしまうよ。」
というような言葉も言われたことがあるからです。
私は、このジュニア期の指導方針について言葉にとても疑問を感じていました。
それは肉体的な充実は前提ですが、走ることにおいては技術が物を言うと考えています。
技術練習の副産物として、その技術習得に必要な筋肉が発達していくと考えているからこそ、基礎体力という曖昧な言葉でサーキット練習、筋トレをやることが技術向上につながるのか?が見えないからこそ、納得感もないと感じてきました。
成長の理解について
成長には段階があり、その成長段階に合わせた練習計画や、方針があった方がいいと思います。
その中で、成長期に技術練習の比率を高めることを悪というイメージを持っている方も多いと思います。
まずは、各年代の特徴を見ていきたいと思います。
プレ・ゴールデンエイジ(5~8歳ごろ)
プレ・ゴールデンエイジとは、5歳から8歳ごろの神経回路が急速に発達し、運動能力の基礎が形成される次期のことを言います。
この時期は、走ることの楽しさや、体を動かす喜びを体験することが大切だと考えています。
ゴールデンエイジ(9~12歳ごろ)
ゴールデンエイジとは、9歳から12歳ごろの神経系の発達がほぼ完成してくる時期のことを言います。
この時期は、実践的な体の使い方等を覚えさせるというのは非常に重要です。
そのため、専門的な動きや、技術練習の比重を増やしていくことが好ましいと考えています。
ポスト・ゴールデンエイジ(13歳以降)
ポスト・ゴールデンエイジとは、13歳以降の筋肉や骨格が急速に伸びる時期のことを言います。
この時期は、体のバランスが今までと異なるため、技術の上達に時間がかかる時期でもあります。
そのため、ゴールデンエイジでの実践的な技術習得は必要だと考えています。
基礎体力は技術練習の中で培われる
年代ごとの神経系の発達についての理解が進めば、お分かりいただけると思いますが、体の扱い方を覚えるのは非常に重要です。
特にゴールデンエイジでは、実践的な技術練習を行っていくことで、競技力の土台をつくっていくと考えています。
つまり、フィジカルと、技術練習は切っても切り離せない関係性なのです。
基礎体力といっても、競技特性にあわせた基礎体力が必要です。
例えば、陸上競技で短距離種目を専攻しているなら、速く走るための体の扱い方を反復して練習することで、適切な動作を体に覚えさせるために反復していくと思います。
そうすることで、適切な動きをおこなうために必要な筋肉はつきます。
逆にサーキットや、筋トレだけしていても、適切な動きをするための動作は身に付きません。
何故なら、走る競技だからです。
サーキットや、筋トレで競う競技ではないのです。
早熟型への懸念
ジュニア期に好記録を出すような選手が成長期を終えて、記録が停滞、もしくは低迷すると早熟型と揶揄されることもあるのではないでしょうか。
確かに、記録はある一定レベル以上であれば、向上しづらくなってきます。
それは単純に、技術的に記録を向上させる技術レベルにないからであると考えています。
それを早熟型という曖昧な表現で片づけてしまうのはいかがなものかと思います。
上のレベルへかけ上げられるだけの技術を習得できていないから記録が向上しないのであって、早熟型だから記録が向上しないのではないのです。
メンタル面の影響
早熟型という固定概念が、選手の精神面にも必ず影響します。
その結果、上手くいかないことを早熟型と曖昧な表現で片づけられてしまう選手の立場を考えると、モチベーションの低下につながるのではないでしょうか。
そのため、早熟型という言葉を使用すること自体、私は好ましくないと考えています。
精神的な影響で技術を崩すこともあります。
そうなると余計に、モチベーションが下がってしまい、悪循環をまねくことも考えられます。
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まとめ
ジュニア期において、年代ごとの成長の特性を理解し、成長得意にあわせた指導方針を確立することが、ジュニア期の選手にとっては必要不可欠だと個人的には考えています。
また、基礎体力、早熟型という曖昧な言葉、表現により、曖昧な判断や、指導をしてしまうと、選手にとってはマイナスでしかないと考えています。
このあたりを理解することで、冷静に要因を見極め、スプリントにおける技術の改善に取り組むことが記録向上へつながると考えています。
少しでも多くのジュニア期の選手が自分の目標をクリアしていくことを心から応援しております。
指導に悩まれている方がいらっしゃいましたら、参考になれば幸いです。