小中学生におけるトレーニングの導入について

ジュニア期の指導について

今回のssyブログでは、小中学生におけるトレーニングの導入について書いていきたいと思います。

私が指導をはじめたのは、小学生、中学生がはじまりでした。
実際、どんな指導を行ってきたのかを書いていきたいと思います。

時代、考え方等、様々な要素から現代にそぐわないものもあるかもしれませんが、この指導で全国大会に出場する選手や、優勝する選手を輩出することとなったため、特に指導者の方や、親御様、小中学生の方等は参考にしていただければ幸いです。

トレーニング導入について

小中学生が部活動、クラブチーム等、いろいろな環境で速く走れるようになりたいと考えている場合、どんな練習から導入していきますか?

これは、あくまで私の指導経験からくるため、正しい等を書くつもりはないので参考にしていただければと思います。

では、どんな導入なのか、そして理由とともに考えていきたいと思います。

はじまりはいつも動的ストレッチ

私は、ジョギングでのアップを一切メニューにいれません。
理由は簡単です。
スキルが乏しい場合、又は身体バランスを崩している場合、ジョギングをすることで筋肉の共縮が起こる可能性が高まり、更に身体バランスを崩すことにつながったり、体の違和感につながると考えています。
それだけジョギングは難しいのです。

そのため、まずは動的ストレッチで、体のバランスを整えていくことを行います。

ウイングストレッチ

代表的なのは、ウイングストレッチです。
ウイングストレッチは、一度ネットで調べていただけると分かると思います。
ウイングストレッチをすることでどうなるかというと、
肩甲骨の可動域の拡大と広背筋の柔軟性を得ることができます。
また、肩甲骨と骨盤のリズムを生み出すことができ、走るうえでは欠かせないストレッチとなります。
このストレッチは垂直軸をつくる上でも大変有効なストレッチとなります。

こちらはいずれ動画を撮影して、お伝えしたいと思います。

ハムストストリング、臀部のストレッチ

こちらは動画を撮影したものがありますので、以下をご覧ください。

こちらは、台に片方の足を乗せて行う動的ストレッチです。
このときに、背中が反らない(力が入らない)ように行うことが重要です。

弛緩(リラックス)→伸張→短縮のサイクルでストレッチしています。
ポイントはリズミカルに行うことです。
伸ばす時間を長くすれば良いわけでは決してないです。
実はストレッチは体にいいと言いますが、方法は非常に重要です。
伸ばせばいいと思っている方が多いと思いますが、長い時間続けるようなストレッチは、筋肉が反応し、余計に筋肉が緊張してしまうので注意が必要です。

15回×5セットずつ行います。
冬は気温も下がるため、片足2分間程度連続で行うというのもアップとしてはお勧めです。

臀部、内転筋のストレッチ

続いて、臀部、内転筋のストレッチです。
こちらも動画をご覧ください。

こちらは、台の上に片方の足を乗せ、その足の膝の外側と外踝を台につけるようにセットします。
このとき、膝と台の位置関係で伸びる場所が異なるため、まずはやりやすいように調整を行ってください。
筋肉が硬化してしまっている場合は、膝の外側が台につかないかと思いますので、できる範囲で行ってください。
ポイントは、ハムストリング、臀部のストレッチと同様で、リズミカルに行うことが重要です。

こちらも15回×5セットずつ行います。

これだけストレッチを行うと、ストレッチ後に足踏みをしていただけると分かると思いますが、足が動きやすいと思います。

では、この状態でトレーニングを行えていますか?
この状態で、試合に出ていますか?
となると、恐らくこの体の状態をつくれていないのではない人は多いのではないかと思います。

でも、これからこの状態をつくれるように動的ストレッチを取り入れてみると、体にも変化がでてくると考えています。

では、体はほぐれている状態のはずです。
そのあとは、この動作からの動いていきましょう。

平行立ち骨盤前傾スタートから歩く

これは以前の記事でもご紹介をした部分ではあるので、こちらも併せてご覧いただけると幸いです。

まずは、いきなり走るというよりは、平行立ち骨盤前傾スタートから、歩いていくことです。
重心移動を第一動作として、歩きだし、スタスタと足が出てくる感覚を身に付けていきます。

少しでもスタスタと自然と足が出てくる感覚を伸ばしていくことがポイントです。

体がほぐれており、垂直軸、もしくは垂直軸に近い状態をつくりやすくなっている、この身体バランスなら、体は反応しやすいと考えています。

では、走りにつなげていきましょう。

平行立ち骨盤前傾スタートから走っていく

歩くので、足よりも重心が前に送り出される感覚を掴めれば、あとはその状態から走っていきましょう。

さー走るぞーではなく、歩きで行ったように動き出していきましょう。

決して焦らず、ゆっくりでも構いません。
体が反応していくのを感じ取っていきましょう。
何本かならしてからで構いませんので、慣れてくれば、以下の様に

垂直軸をつくれやすくなっていると、こちらもスタスタと脚が自然に出てきます。
この自然に脚がでてくる感覚をどこまで続けられるかが非常に大切です。

指導の成果

この練習の導入は毎回必ず、基本的には変えずに行っていました。
実際、100m18秒7の小学生男子が12秒7で走るようになったり、小学女子が100m15秒9から13秒5と、大幅な成長を見させてくれました。

また、中学生では、男子1年生が11秒6で走ったり、女子1年生が14秒4から12秒5で走ったりと、多くの成果を見せてくれてました。

是非、大人、子供関係なく、このトレーニングの導入は非常にお勧めですので、参考にしていただけると幸いです。

参考文献

(1)小山裕史『奇跡のトレーニング 初動負荷理論が「世界」を変える』講談社
(2)米重 修一 初動負荷走法による走力の向上について

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