短距離を速く走るための姿勢

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今回のssyブログでは、短距離を速く走るための姿勢について考えていきたいと思います。
特に今回は中間疾走と言われるスタートして前傾姿勢以降の体が起き上がって走る姿勢の状態で走っている部分について考えていきたいと思います。

体が起きて走る際に、何か意識をすることありますか?
恐らく、「体を一本の軸として走りなさい」、「ブレないように体を固めて走りなさい」と言われることが多いのではないでしょうか?

私は、上記のような意識を持って走るということはありません。
また、指導者として数年間、小学生~高校生までを指導していましたが、上記のような指導は行っていませんでした。

何が大切なのか?を私の経験を基に考えていきたいと思います。
もし、短距離でレース後半に失速に課題をもっているという方や、指導者の方で指導に悩まれている方は、参考にしていただければ幸いです。

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一本の軸で走るって本当?

数多ある考え方の中で、古くから「一本の軸で走りなさい」と言われています。
私も、同じく指導を受けた一人です。

ただ、一本の軸で走るというのは、言葉足らずなのです。
つまり、間違ってはいないが、この言葉だけで説明不足だということです。

では、どのような解釈が足りていないのでしょうか?
考えていきたいと思います。

短距離を速く走るための姿勢

短距離を速く走るための姿勢とは、どのような姿勢なのでしょうか?

垂直軸

一本の軸は、どのような軸のことを言うかというと、接地時に
肩ー大転子ー膝関節ーくるぶし
を結ぶ軸をつくって走るため、左右にあるのです。

上記は、いわゆる二軸走法と言われる走り方、考え方です。

つまり、左側、右側と接地時に軸ができるのです。

二軸走法については、(枝松ほか、2010)によると、
特に股関節を中心とした力発揮及び、力の伝達の様式が変わることで、疾走タイムを縮めることができる可能性が報告されています。

理由は、体幹のねじれ角が少なくなり、腕と脚の挟み込むタイミングが同調することで、股関節トルクでは大きな伸展トルクが発揮されるようになからだと考えられています。

体幹部分の感覚

体幹部分の感覚はひとそれぞれなため、正解というのは各個人で異なるかと思います。
そのため、私の感覚を書いていきたいと思います。

よく「腹筋を固めなさい」、「腹筋をしぼりなさい」と指導された経験があります。
皆さんはどうですか?

ただ、私は上記のような指導を鵜呑みにして上手くいった経験がないです。
それは、私自身が本質を理解していなかったからだと考えています。

学生時代、急に記録が向上したタイミングあったのです。
2か月で、100mにして0.7秒の短縮に成功しました。
理由は、この体幹部分の意識を変えたからです。

タイムが縮む前は、腹筋を固めて反り腰になっていました。
これが落とし穴なのです。

へそが進行方向を向くように前するという意識を持つことで、反り腰が改善され、脚が前に引き出されやすくなったのです。

つまり、反り腰にならないように、お腹が伸びないように姿勢を保持(固めることとは異なります)することが重要だと思います。
これは筋力の問題ではないです。
如何に意識して癖づけるかがポイントです。

これができれば、疾走中は接地の際に、臀部で体重を受け止めることができるようになると考えています。
逆に反り腰の場合は、四頭筋で体重を受け止めざるを得ないため、体も突っ込んでしまい、スピードを高めることが難しくなってしまいます。

姿勢づくりについて

垂直軸をつくる(二軸で歩く)

歩くことからはじめることが大切です。
歩くなかで垂直軸を形成できないのに、走りのなかでも垂直軸をつくることは難しいです。

そのため、以下のポイントをおさえて歩くことで感覚を掴んでいきましょう。
・腰幅で歩く
・シューズの外側が進行方向(つま先が外に向かないように)
・重心移動から動き出す
・遊脚の膝は、軸足の膝に近くを通る
上記をおさえながら自然に歩いていきましょう。

姿勢をつくって走ってみよう

歩くなかで感覚を掴んでいくことができれば、走りにつなげていくだけです。
ただし、走る際にはいろいろなことを考えすぎてしまうと、混乱しやすいので、走りに移行した場合は、この垂直軸のことは意識せずとも体が反応しているはずなので、考えなくても問題ないです。

ただし、確認するためには、ビデオで撮影を行い、自分がどのような動きをしているのかを確認する等はお勧めします。

まとめ

二軸をつくることで、体幹のねじれをおさえ、力が地面に伝わりやすい状況をつくります。
また、地面にしっかりと力を伝えることができれば、記録は向上していくと考えています。

ただ、軸だけを意識してもうまくいかない場合があります。
それは、体幹部分を上手く使えているかということです。

反り腰の選手は、軸をつくろうが上手くいかない可能性が高いです。
何故なら、反り腰だと体幹部分が伸びきってしまい、上手く体を使ってパワーがでるポジションをつくることが難しくなるからです。

反り腰を改善し、ポジションをつくることができれば、垂直軸もつくりやすく、記録向上にも大きく影響があると考えています。

それだけ、体幹部分の感覚を養うことが重要なのです。
「じゃ、腹筋鍛えまくればいいの?」というのも異なります。

体幹をうまく使うことが大切で、腹筋を固めるというのは異なるため、この違いも感じられるようになればより記録向上につながっていくと思います。

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参考文献

枝松 千尋,梶原 女公美,楠本 一樹,福田 克幸,藤岡 亮一,飯田 智行,川上 雅之.(2010)
陸上短距離走における二軸トレーニングが走動作に及ぼす影響

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