短距離を速く走るために走り込みは必要?

走り込み

今回のssyブログでは、短距離を速く走るために走り込みは必要か?ということ考えていきたいと思います。
特に100mを走るのに、走り込みは必要なのか?という視点で考えていきたいと思います。

頑張って走り込みをしている方も多いと思いますし、走り込んだのに記録に結び付かなかったという経験をされた方も多いのではないでしょうか?

私が小学生~高校生までを指導していた経験を基に考えていきたいと思います。

では、まず走り込みとは?から考えていきましょう。

短距離を速く走るための走り込みとは?

例えば、代表的なトレーニングとして、120m×5本、150m×5本、200m×5本等、あげればきりがない程、多くの種類の距離、そして本数の走り込みが存在します。
そして、短距離の走り込みとなると高いスピードで走りながらというのが求められると思います。

では、走り込みで求められている効果についても考えていきましょう。

短距離を速く走るための走り込みで求める効果

走り込みでどのようなトレーニング効果を期待していますか?
よく耳にするのが、
・筋持久力の向上
・フォーム
・スピードトレーニング
等ではないでしょうか?

実際、走り込みを行うことで、
速筋のミトコンドリアと毛細血管を増やすことにつながり、必然的に高いスピードの持久力は高まるため、走り込みを行うことは重要であると言えると考えています。

短距離走に必要な持久力は、遅い速度を長く維持する持久力ではなく、高いスピードを維持する持久力のため、速筋がメインに使われるのです。

ただし、速筋はミトコンドリアと毛細血管が少ないため持久性が低いと言われています。

この速筋のミトコンドリアや毛細血管を増やすには、高い乳酸値で、筋肉のグリコーゲンを多く使うようなトレーニング、エネルギー切れになって足が動かなくなるようなトレーニングが重要になると考えています。

上記から、
・より高いスピードで走り、量をこなす
息があがるような状態まで、走る距離をこなす
レストを短くして、最後身体が動かなくなるまで走り切る
ことが重要だと考えられています。

ここまでで走り込みが重要だということはお分かりいただけたと考えています。
ただ、これはあくまで一定レベル以上で走れる人に向けたお話です。
では、上記が大切だからと言って、ガンガン走り込みをすれば、もしくはさせればいいのか?
となるとそこはまた話が異なります。

では、ここからは私の考えを書いていきます。

短距離を速く走るための走り込みについての考え方

競技レベルで走り込みが適しているのか?
そして、走り込みのメニューは、走る選手に適切なのか?
を考えていくことは非常に重要です。

走り込みは、ある程度のレベルに達していないと、走り込みを行ったところで、走り込みにより選手の競技レベルを引き上げられるとは考えにくいです。
そして、私の走り込みの位置づけとしては、最終確認という位置づけなのです。

どういうことかというと、レースを意識して、動作が崩れずに維持し続けられているのかを確認することが一番重要です。
ただし、それはスピードを高められていればの話です。
スピードを高められる状態であれば、動作も自然と維持されやすいです。

逆にそのような状態ではないのに走り込みを行うことは、トレーニング効果を期待することは難しい考えています。

では、まずひとつひとつ考えていきます。

走り込みは競技レベルで選択する

例えば、高いスピードで走る選手と、高いスピードで走れない選手がいたとして、150m×5本を行うとなったときに、どのようなことが考えられるでしょうか?

恐らく、可能性として高いのは、高いスピードで走れる選手には効果のあるトレーニングになると思います。
しかし、高いスピードで走れない選手は、体を効率よく進める能力が高くないため、走り込みを行っても競技力向上にはつながる可能性が低いと考えられます。

なぜなら、身体ポジションが適切でないため、スピードを高めるスキルを身に付けていない可能性が高いからです。
効率のいい動作であればスピードも高まり、身体への負担も少ない状況で走ることができるのですが、そのような選手に走り込みをさせると、怪我のリスクが高い確率でつきまといます。

高いスピードが出せないから走り込むなということが言いたいのではなく、レベルに応じた段階があると言いたいのです。

走り込みでミトコンドリアが、、、、、、等を考える前に、より高いスピードで走れる身体ポジション、スキルを習得することが優先だと考えています。

30mダッシュについて

特にスピードがなかなか高められないと悩んでいる方は、一旦長い距離での走り込みはおいておいて、30mダッシュにこだわるというのがいいのではないかと考えています。

何故、30mダッシュなのかというと、例えば、100mではな加速局面が0~30m地点と言われています。

(小林,2011)によると加速局面前半に大きな走加速度を獲得することが,加速局面中盤以降の走速度の有意差につながることが示されたという報告があります。

上記から、中間疾走局面、減速局面についは、加速局面での大きな走加速度を獲得する必要がある、つまりは、スタートしてから加速度が高まらない(スタートが速いということではない)と中間疾走局面からゴールまでは速く走るのが難しいですよということです。

つまり、30mでスピードを高めて走ることが難しい場合は、走り込みをしたところで中間疾走局面、減速局面で、スピードを高めたり、減速を抑えることが難しいため、走り込みで改善されるとは言い難いのです。
そのため、身体バランス、動作改善を確認しならが30mにこだわったトレーニングからはじめて、距離を伸ばしていくことで、いずれは走り込みにつながればいいと考えています。

詳しくは、下記の記事に書いておりますので、こちらも併せて読んでいただけると幸いです。

30mダッシュのポイント

30mダッシュの、おさえておいた方がいいポイントを考えていきます。

・筋肉がうっ血しないように走る(力まないようにリラックス)
・全力で走る
・足音を小さくして走る(地面の叩くような音がしないように)
です。

全力で走る中で、上記をクリアするというのは非常に難しいです。

何故なら、30mでスピードが高めるのが難しい場合、地面を叩いていたり、力んでいてパワーを発揮する状態にないからです。
指導者の方、選手の方は、特にこの3点をおさえながら、30mダッシュ動作改善を行っていくことが重要です。


動作的なことは、以下記事でご確認ください。↓

上記の記事と合わせて、
小学生:30m×2~5本程度を楽しく走ってみて下さい!
中高生:30m×5~10本程度をチャレンジしてみて下さい!
レストは、息が整ったら走りましょう。

このトレーニングは、走るメニューの導入として、練習毎に行うことをお勧めします。

このトレーニングを行うことで、スピードを高めることができるようになってくれば、これを60mにして本数を減らしてみたり、レストを多くとってみる等設定を変更していくのがお勧めです。
いずれは120m、150m、又は200m等走り込みのトレーニングにつながっていくと思います!

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まとめ

私は、走り込みは、ある程度、身体ポジション、スピードを高めることができるスキルを持っている選手が、レースや、動作の確認として行うトレーニングだと考えています。

そのため、身体ポジションが崩れていたり、スピードを固めることがそもそも難しいスキルの状態で、走り込みを行うことは怪我にもつながり、走力を向上させることは難しいと考えています。

まずは、自身のレベルに応じた、トレーニングを行うことが必要であるため、走り込みを行っても記録向上につながっていないと悩んでいる方の場合は、身体バランスの改善と、30mダッシュで走加速度を高めることができるスキルを向上させることが優先です。

そのうえで、30mである程度、効果を感じられた場合は、次のステップとして距離を伸ばしていく。
その中で、120mや、150mなどの走り込みに繋がっていくことが重要だと思います。

ちなみに、私が指導者を行っていた際、中学生女子で12秒前半で100mを走る選手を指導していましたが、俗にいう120mだったり、150mの走り込みはメニューに入れたことがなかったです。

それよりも、身体ポジションを整え、30m、60mの距離で徹底的に動作を一緒に作っていきました。
もちろん、選手の努力の賜物で、私は方向性がブレないように見守るっていただけですが。

参考文献

小林 海(2011)
競技レベルの高い陸上短距離選手における走速度の決定因子 : 短距離走の加速局面を対象として

Egan, B., & Zierath, J. R. (2013).
Exercise metabolism and the molecular regulation of skeletal muscle adaptation. Cell metabolism, 17(2), 162-184.

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