短距離走における骨盤前傾の重要性について

姿勢について

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今回のssyブログでは、短距離走における骨盤前傾の重要性について考えていきたいと思います。

私は、過去に小学生から高校生を対象に数年間だけ指導者をしていました。
全国大会優勝2名
全国大会出場11名
という指導実績でした。
指導者としての指導経験を踏まえて、書いていきたいと思います。

骨盤前傾って知っていますか?

骨盤前傾という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

以下のような言葉をよく耳にすることがあります。
「外国人選手は、骨盤が前傾しているから速く走れるが、日本人は骨盤が後傾しているため速く走れない。」

つまり、これは骨格の違いについて話をされていることとなります。
では、骨盤前傾が何故よしとされているのかを考えることは、今後のトレーニングにおいての判断基準のひとつとなり、トレーニングメニューの構成にも大きく影響があると考えています。

ただし、骨盤前傾と言っても、反り腰とは全く異なると考えています。
骨盤前傾については、ただ単に骨盤の角度を前傾させ、腰を反らせることと誤解している方も少なくないと考えています。

今回は、ssyが骨盤前傾の考え方と、骨盤前傾を上手く使うと何がいいのかを考えていきたいと思います。

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骨盤前傾とは?短距離を速く走るためには必要?

短距離を速く走るためには、地面に対してしっかりと力を伝える必要があります。
そのためには、出力する力を高めることが必要で、出力を高めるためには適切な身体ポジションで出力することが重要です。

そのひとつの要素として、骨盤前傾ポジションを確立することは競技力向上につながると考えています。
接地の際に、骨盤前傾ポジションで接地することができれば、身体から出力されたパワーを上手く地面に伝え、体を素早く、そして遠くに進めることができると考えています。

では、骨盤前傾とはどのようなポジションのことなのでしょうか?

骨盤前傾ってどんな姿勢(ポジション)

骨盤前傾とは、胸骨上縁⇔大転子⇔膝関節を結んだ線が地面に対して鋭角なのか。
そして、上後腸骨棘⇔上前腸骨棘を結んだ線と、地面の角度が骨盤前傾角度だと考えています。

以下の画像を見ていただくとイメージがつきやすいかもしれません。

このようなポジションのことを骨盤前傾だと考えています。
上記の画像を見ていただければ、骨盤前傾は反り腰ではないとご理解いただけるかと思います。

では、骨盤前傾で走るとどいうメリットがあるのでしょうか?

スプリントにおける骨盤前傾のメリット

先ほどの画像のように接地の際に、骨盤前傾の状態をつくることができれば、股関節伸展筋群(大腿二頭筋、大殿筋、中殿筋)の筋張力の増大し、股関節伸展速度を高めてくれると考えています。

以前、別の記事でも書きましたが、
(貴嶋ほか、2008年)によると、
股関節最大伸展速度はスタートから中間疾走にかけて疾走速度の増加にともない有意に増加した
という報告があります。

これから、股関節伸展は疾走速度に大きな関係があり、スピードを高める上でも、股関節最大伸展速度はとても重要と言えると考えています。

詳しくはコチラ↓

ssyブログでは、適切なポジション、接地時の体重は臀部で受け止めたい等、書いてきましたが、この骨盤前傾に通じる考え方となります。
上記のようなポジションで走ることができれば、股関節伸展のパワーを上手く地面に伝えることに繋がりますし、股関節伸展筋群の筋張力が高まることから、パワーの出力も高まると考えています。

走り方は姿勢でかわる?骨盤前傾を習得するために

逆に適切なポジション(姿勢)が取れていなければ、いくら出力しても地面にパワーが伝わらない、もしくは出力している気になって実際は大きな出力ができていない状況となると考えています。

実際、私は指導者としても数年間活動をしておりましたが、適切なポジションが取れない選手程、出力が弱く、怪我のリスク等もあるため、適切のポジションづくりを徹底することで、成長の歩留まりを解消していくこと優先的に行っていました。
つまりは、ポジションがとれなければ、走るトレーニングは逆効果になる場合があるので、見極めが非常に重要となってくると考えています。

骨盤前傾ポジションをつくるためには

腰に圧力がかからないように、お尻から上体を少し倒すイメージです。
ただし、これはあくまで体の最低限の可動域がある方でないと難しいと思います。

実は、大殿筋、ハムストリング、腹直筋等が硬化していると骨盤が後傾しやすく、
大腰筋、脊柱起立筋、大腿四頭筋等が硬化していると反り腰になりやすい傾向があると考えています。

そのため、ポジションが最低限表現できるように可動域は必要だと考えています。

ポジションをつくるための最低限の可動域を獲得するにはどうすればいいのでしょうか?

動的ストレッチ

まずは、臀部まわり、ハムストリングの硬化を取り除くことが重要です。
例えば、このような動的ストレッチは非常に有効です。

このような台を使用してストレッチを行うことで臀部、ハムストリング等の筋肉が緩んでくると思います。
また、筋肉の硬化が一定以上の場合は、最初は脹脛等の末端が伸ばされている感覚が出ることがありますが、続けていただくことでハムストリングや、臀部が伸ばされていくように変化していきます。

あとは、応用編として、臀部まわりのストレッチを強化したポジションです。

このストレッチも、筋肉の硬化が一定以上の場合は、内転筋等に負荷がかかっているように感じやすく、継続して行うことで、臀部まわりに感覚がでてくるようになります。

上記は、ウォーミングアップや、ダウン、寝る前等、毎日行うことで効果的に身体バランスがかわっていくと考えています。

ただし、注意が必要なのは、伸ばせばいいと思い、強く、痛いぐらいに筋肉を伸ばす方が稀にいらっしゃいますが、それでは緩みにくいので、少し痛気持ちいぐらいでストレッチしてもらえればと思います。

まとめ

骨盤前傾と、反り腰は異なります。
骨盤前傾は、上体ごと地面に対して前傾させる必要があります。
上体のポジションを考えず、骨盤だけを前傾させ、腰に負担をかけるのは反り腰です。
この違いは理解が必要です。
理解できれば、多くのトレーニングで身体ポジションの見直しや、再確認ができると考えています。

骨盤前傾のポジションを取ることができれば、接地時の軸足の大腿二頭筋等の股関節伸展筋群の筋伸張が増大し、大きな出力につながると考えています。
つまり、股関節伸展スピードを高めることにつながり、疾走速度に影響し競技力向上につながると言えると考えています。

トレーニング中に腰にだるさや、負担を感じた場合は、それは反り腰かもしれません。
反り腰でなくても、ご紹介した動的ストレッチを行っていただくのはお勧めです。

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